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ろまんてぃっく過ぎてまじでごめん

kamome7440

本文

[bgm daily-life]

[bg woodland-path]











     その時、僕は、多分、

     前に進もうとしていたんだ――。



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     しんとした太陽が青い空に出て、

     屋根のひさしをふと思い出したように、見る。

   

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          ――青いよ。



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    こころと身体が別ものであること を



    いま みとめてしまう――





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[bgm none]

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[filter white]

[se crow01]





[bg field]

[bgm melancholy]

――6月11日晴れ。

17:15。



静かな雨が

降っていた・・

雨は明るさと、快活さと、

また暖かさを、奪っていく。

陰鬱な乱雑がねくたれていて、

悪どい空気がじっとり湧いている。

曇りながらでも、空から、ポツポツと降ってくる雨は、

空にとどまっている悲しみのプールを想像させる。







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つたない波 で いつのまに か

こんな に 深い溝 が横たわって る





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     「アイツは気付いてないんだ――。」





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[bg downtown-evening]

「関係ないだろ。」

あの時のシチュエーション。

あの時の僕。

両親の仲がよく、

たまに来てくれる彼女・・・。

隣の家の、

同級生。

でも実際はお節介で、

口うるさくて、けど・・・。

長い間、僕はずっと――。







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        ――君の傍にいられたらいい





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       スーツのポケットに小さな緑亀がはいっていて

       また小さ な 鼠がはいっていて





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[bgm none]

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  わたしは まるで シャッターを押して蛙ばかり写してる

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[bgm heartbeat]



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        [text-color black]思い出す―――

                   あの夜のこと・・・。





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[bgm none]

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[bg bedroom-evening]

[text-color white]

[bgm festival]

「ねえ、ちょっと!」

大きな声。

二階の部屋。他の部屋より暑い、西日の当たる二階の部屋。

床に転がったゲーム機に漫画と、掃除もせずに汚れているのに、

机はおそろしいくらい綺麗。気侭な電車という名の揺籃!

でも、――雨がこういうのを全部鬱陶しくさせる。

そうすると、嫌なことを考える。

でもそれが全部、何かの間違いであったみたいに、

彼女は、大きな声で僕を呼んでる。





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まるで、飼い犬みたいな扱いだ。

ひどい。

そしてまたベッドで微笑んでいる僕が見える。

でも嫌だ。

さっきまで雨の音を聴いて、ぼんやりしていたのに・・・。

ちょっとは男のセンチメンタルな胸の内というのをだな、

悟りなさい。悟れなければ、砂糖せめて五匙いれなさい。

と言ったって、そんなこと言えば、聞かれるにきまってる。



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セメント・・・・・・、



         無色雑音の砂・・・・・、



                       



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何をよ。しかしこの何をよ、が憎らしい。

何をよ。はいはい、あなた様は、

いつまでもお子様ランチ喰べてなさい。

おじさんは、そろそろ、大人になる。

いつまでも俺だってポップソングじゃないんだぞ、

ブルースもする、シャンソンもする。

馬鹿野郎。



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それで も 一歩 だけ すすみた い ね

もっと 前 へ と ・・・・・・





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        そしてなにか不思議な世界――。



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「ねえ!」

知らんぷりを決め込んでいるわけじゃないが、

ちょっとした気分のものだ。

そうすると、ぽとんぽとん、と石を投げてくる。

二階の僕の部屋は、川となった。

そうだよ、君、アンダースローで、

ピュッと投げるのがいいのだ。

って、違うだろ!

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ワンポイント・レッスン!

神はいつも欲張りな人の味方

そこにひとりの女性がもの言わずに佇んでいる

昔こんな夢を見たわ、と ・・・・・・

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ここは川じゃねえ。ていうか、

窓割れるだろ。

手加減してますじゃねえ。

と、いつのまにか、テレパシーしてる。

馬鹿みたいなやりとりを、一体いつまで、

続けるつもりなのか。

こんな子供っぽい関係を、

いつまで・・・。



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ガラガラガラ――

「おいこら!」

すると、にっこり。

なんだか、怒る気も失せるくらい、

ほっとした顔をしている。

「・・・やっぱり、いるんじゃない。」

「なんだよ。」

[bgm none]

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[bg field]

[bgm melancholy]









        [text-color black]思い出す―――

                   あの夜のこと・・・。









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  しいんとした部屋 で TVや 洗濯機の 音が

  やけに リアル に 引き戻して き て

  なんという か 終わって い た





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[bg none]



たった一度だけ、夜中に、二人で海へ行ったことがある。

自転車を漕いで。でも、俺が選んだんだったよな?

すごい山道でさ、くねくねした曲がり角、ひいひい、息切らしながら、

乗り越える。でも、なんだかよかったんだ。覚えてないと思うけど。

暗い夜道だったけど、豁然と、月が道を浮かべていてさ、

それに、虫の音なんかがして。



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[bg moonlight]

[text-color white]



[bg downtown-evening]











「関係ないだろ。」

お前は本当に馬鹿だよな。

馬鹿だと思う。

――長い間、勘違いしていただけで

こいつは俺のことを・・・。

何とも思っちゃいない・・・。





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すこし なれなれしくな って

また 同じことをくりかえ す

よくて たまらな い

ぴったり と 寄り添っていられるのが



そういう風な 正直な気持ち で





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[bg bedroom-evening-blur]

[text-color white]

[bgm festival]

「――長いトイレね!」

「馬鹿野郎。勉強だよ、モーツアルト聴きながらね。

おお、巨匠、レクイエムを聞かせて!」

「勉強しなさいよ。」

と、窓越しの彼女。

「だから、してたの!」

と、言いながら、後ろを振り返れば、

漫画が転がってるので、

ぼすっ、と蹴飛ばした。

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[bgm none]

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[bg none]



きれいな海だった。全身筋肉痛で、

もう帰れないから、朝になるのを待って、

自転車ごと電車に乗せて帰ったっけ。

本当にめちゃくちゃな計画。

素っ頓狂な話。

でも、覚えてないかも知れないけど、

海辺でお前少し寝てただろ。

あの時、

お前の唇が俺の唇に触れたんだぜ。



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火 の ぬくもりを感じた ら

ふかい みな底でふたり は

神へ の抱擁 をするのかな





そう ポートレートは赤と青のみで忠実に再現されて い る

冷静と情熱 の 峡間に揺 れ る





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     「アイツは気付いてないんだ――。」





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  ごめんなさい 辛かった んで す あの時 は

  友だち から 聞いて しまったものだか ら



  メールの言い訳 を 彼が聞く はずもな く

  わたし は すっかり 涙脆くなっ てい た



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[bg bench]

家を出て、ちょっと話があるからと、

わざわざ公園まで行く。

女の子の一人歩きは危ないんだぞ。

あなた、女の子なの。

オオカミだよ。違うよ。もちろんそうだよ。

公園には、遊具があって、

とりたてて滑り台とブランコがあって、

えーと、あとは何もないな。無言の浸食作用。

饒舌は回転寿司。えーと、って何だ。

なに、どきまぎしてんだ。

うるせえ。

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  ――白痴。





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自動販売機でジュースを買ってくる。

「それで、どうしたんだよ。」

話せよ、という風に、目配せする。

「えへへ・・・ご馳走様でした。」

「なんだよ、それ。」

コカコーラを、プシュッ、と開ける。

どこかで、ガハハという酔っ払いの声がした。

中年め、俺にも酔わせろ。

「友達のカナコちゃんがね、・・」

カナブン?

「うん?」

と、言いながら、俺は顔を青くした。

まさか、――

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   カ  マ  キ  リ  ?



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   ――何のこっちゃ。



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「待て。俺は、スカートめくりなど断じてしておらん」

「したの?」

「いや、言ってみただけ。」

続けて、と言った。

「あだち充読みすぎ。」

「青春の代弁者。」

「合い言葉は?」

「ムフッ。」

「も一つおまけに?」

「サービスショット!」



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        ――ごめんねって。





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ねじきれまいとした バネ仕掛けの莟 か ら

澱み な く ふくら み

ふたつ並んだ 影 は 鮮やか な 実験





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[bg park-night-blur]

[bgm daily-life]





  むくむく と わたし の視界 を くらく おおっ て





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  だから 覚えて て ね あたしのことば 

  すこしだけ で いいから ちょっとだ け 

  地面に転がっている鞄 や 折れた鉛筆 みたい に





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  独楽 の 回転 は すずろか で

  そ の ぶつかるの 音 を 思うたび に

  僕 は 何か を 待って いる





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  次第に冷えてゆく大気を敏感な肌に感じ な が ら



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  みんないつも淋しくて

  そんな人生にもとめてるのは何かって ・・・・・・



  話してもいい?

  聞いてもいい?



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  不思議な魔法をかけられてしまう

  生きてるって悲しみがその瞬間に満たされる ・・・・・・



  町の様子 に 見惚れて 自然 や 物の 匂い が

  あふれて 街灯に 葉が 透けてるのがわかって



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  それは空想の阿片によって色濃くイマージュされた

  ふくよかに映える月夜の散歩





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    ――大好き

 



 

あとがき

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