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kamome7440

本文

 [bg city-crossing-crossroad-road-447]

 [bg city-road-people-street-2316]

 [bg light-road-nature-street-6806]







[bgm daily-life]

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[bg black]













     いかにも、なまぬるい幸福に、



     ひたっている間に、



     去ってしまった夏が見える――。







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     満月は、静かに二人を照らす。



     ひときわ高い枝が空で揺れているのが見える。



     こちらの方へ凍えた腕を差し伸べる、枝が。



   



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          ――空をうった感嘆符。







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    長いこと 雲の中にひそんで い た 







    蝶の よ う な おのの き――











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[bgm none]



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[filter white]



[se crow01]











[bg field]



[bgm melancholy]



――交通事故、車にはねられて飛ぶ肉体。



まわる回転灯、ドップラー効果を体現する車体。







病院のベッドの前で、



僕は彼女を見下ろしていた・・ 。



玩具のルビーの玉の瞬きによく似た、



輸血の光景。風穴に吸い込まれるような、



心ぼそい罪悪・・。



死神が透き通るような声をあげている。



生が煉獄のある深い渓谷の闇の中へとしずむ。



その先に、アリアドネの向かった洞窟がある。















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落下する 光 線・・・。



反射す る 音。



  かな し い つぶやき・・・・・・。







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     「眼を開けろよ――。」











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[bg downtown-evening]



虧けた月や、朧ろな光のような面影。



思えば、僕の腹の管につかえた音楽だった。



そこには初恋の思い出があったし、



都合よく消しゴムのように忘れられない、



犬が死んだ日のことが、脳裏に残る・・・。



いま、その月に前かがみになっている。



こっちへ戻り、あっちへと行き、立ち止まり、



いま、あたらしい月、(青)と(白)の思い出。



咽喉の奥から笛の音がなって、・・・。



綺麗な埃の雲となる――。















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      ――君がわからない



        ――いや、僕がわからない











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       会話が 万華鏡の よ うな 遊 び



       死後に流れるであ ろ う 音楽 











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[bgm none]



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  あたらしい トランプ のよう に 鮮やかな 顔



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[bgm heartbeat]







[bg field]























        [text-color black]君がいない―――



                   毎日が始まる・・・。











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[bgm none]



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[bg road-fashion-vintage-bag-1577]

[bg road-fashion-vintage-bag-1656]

[text-color white]



[bgm kindness]



気まぐれは不意に訪れ、



またいつ知らず立ち去る。



不在は死みたいなものだ。



風みたいにやってくる。



たとえば、壜の中の貝殻みたいなものだ。



夜に、――それが耳に見えてくる。



影の来客、想像力が、かすかな薔薇色に染まる。



ぼってりと闇を吸って膨れた影の前では、



自分が何処にいるのかさえ、わからない。











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[bg beach-sand-blue-ocean-6688]





そういえば、前にもこんなことがあった。



いつもお前は、金色の羽虫のようだったから・・。



そしてベッドでまどろんでいる、夏が、



長い髪をひきずっていく。



いつまでも子供のままではいられないし、



靴下をはかないままではいられない。



眼を開けて、さらさらと部屋の中に揺れ動いている風に、



本当の自分の気持ちを打ち明ける・・・。







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舗道の坂に・・・・・・、







         牧羊の群れ・・・・、







                       







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いつも、夜の罪に苛んだ良心は、



今日、卵から孵った雛になっている。



やさしい舌に湿った舌。



色んなことが渦巻きながら、次第に深く凍っていく。



研ぎ澄まされた刃金は、心臓にあたる。



ガラスのようにしみこんでくる、風。



いつまでもこの、飢えは消えない。







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冷たい風 が 冷ややか な 警告を す る



過去に 逃れられな い 弱い 心を ・・・・・・











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        思い出に 傷つく――。







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[bg sea-beach-ocean-animal-5181]

[bg sea-bird-ocean-animal-1302]

[bg sea-black-and-white-ocean-boats-578]

どんなに想像しても、繰り返しても、



ねえ、背を壁にあずけても、椅子にもたれても、



ここにいる限り、僕は【生きる仮面】をかむれない。



全身をねじきるような、



みぞおちのなかに酢のたまるような、苦しさ。



いつまで、僕は泣き続けるんだろう。



そこに星形をした黒い蛭。



六角形の蜘蛛の黒い糸の巣。



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井戸の底の黴だってわかってる。



石に刻まれたものでもそうなのだから、



こんな状態が永遠には続かないと知ってる。



でも、君のことばかり思い出す。 ・・・・・・



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葬式――冷たい肌を浮かべた魚になる。



鬱蒼たる森のように髪の毛が絡み合う。



心はすぐに、だらしなく、



はみだそうとしてしまうから、



漆黒のうろこをもった蛇。



風が滑るように吹き去る。



軽くゆすれる、お前の髪は見えない。



笑った顔が、いまは考えられない・・・。







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[bg sea-black-and-white-water-ocean-3164]

[bg sea-black-and-white-weather-ocean-5396]



波紋は次の波紋をつくりだす――。



(一体、僕は何をしてるんだろう?)



ぬるり、くらり。



自然がつくりだした、折れた剣の刃。



心をしばっている、約束や、愛の重さ。



すべての屈曲部は濡れるために、ひずむ。



そう思えるほどに。



[bgm none]



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[bg sea-man-person-ocean-2859]



[bgm melancholy]



















        [text-color black]沈んでいく―――



                   僕の身体・・・。



















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  気がつくと 目の前 に お前が い た。



  悲しそうな 眼 を しながら 俺を 見てる。



  でもそれが 夢だと 気づいて また 泣く。











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[filter none]







僕は硫酸に焼かれる。それをごまかすために、酒を飲む。



心のつらさや苦しさを、見てみないふりをするために、



薬を飲みはじめる。



そしてまったく何も解決しない一日がはじまる。



やがて頭がおかしくなり、狂う、一日へと向かう。



まるで、最初からそう望んでいたみたいに・・・。







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[bg sea-water-ocean-dark-656]



[text-color white]







[bg downtown-evening]























「もう、やめよう。」



僕は、もう生きていたくない。



人生に、疲れてしまった。



――桅檣の折れた帆船のように、



僕は海の中をさまよってる・・・。



いずれ、どこかへ漂着する、このベクトル・・・。











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かったーないふ でも いい な っておもえ て



たばこを くうのも いい な っておもえ て



そうすれば らく に なれ る



もう いいや いい よ いいん だ







どうでも―――。











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[bg water-clouds-ocean-splash-7234]



[text-color white]



[bgm peace]



心の弱い僕らは、びろうどのようなつやをふくみ。



ゆらゆらと縞模様をえがきだした。



世界は変わらない。誰も変わらない。僕も変わらない。



水しぶきがあがる。



そして人間の孤独が、



写真の内側に世界に埋没してゆく。



そして僕はまた、泣いていることに気付く。



血脈のような枝をあらわにひろげながら、



したたるよう、な、むらさき。



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[bgm none]



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[bg none]







僕は、もういっそ、虫になりたいんだと思った。



いや、石ころでもいい。雲でもいい。



なんだったら、雨でもいい。



記憶も、感情も、すべて、なくなってしまえばいい。



人の心なんかいらない。



季節が目の前を過ぎてゆく。



やさしい音楽は鳴らない。



いつまでも、



僕は生まれ変わることができない。







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愛してる か ら 浮気 だって す る



運命とかが 好き な 馬鹿な 人 は



苦 し む 遊星











ふやけて すきとおってゆく 一瞬



くりーく する











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     「アリアドネは無能だ――。」











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  誰も 救うことは できない 暗闇



  心を 閉ざして 眼を閉じていた 昨日







  蔦に おおわれて ふるびてゆくことしかできない



  僕はただ 君の名を 呼んでいたか っ た







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[bg black-and-white-dark-car-vehicle-219]



でも、僕は怖かった。



ひとりで生きるのがどうしようもなく怖かった。



どうすれば強くなれるのか、



そう、自分と強く向き合うことが、



とてつもなく、怖かった。



最初は、忘れるのが嫌だと思った。



お前が可哀想なんだと思っていた。



でも違っていた。



ただ、僕は自分が可哀想なんだ。



だから、一人で生きていくことができないんだ。



眼を開けて、現実を見すえることができないんだ。



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  ――絶望だっ た よ。











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ナウマン象が歩くように、



あたりは、ふわふわした軽いカーテンになった。



酒と薬のちゃんぽんで頭がおかしくなった僕は、



世界が大きな毛布であることに気付いた。



もういいじゃないか、このまま、閉じこもってよう。



この霧のなかで、自分をごまかして生きよう。



もう何も考えないで、ただ、食べて寝ているだけの、



どうしようもない動物になろう。



もう、眼を開けないでいよう。



もう、自分のことなど考えないでいよう。



もともと、自分はこんな人間だったと思う。



そして世界を呪うことも、やめよう。



最初から、こうなる運命だったんだ――



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   夜 は 終 わ ら な い







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   ――朝 は 永 遠 に 訪 れ な い 







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でもそんな夜の終わらない朝の訪れない世界に、



君が現れた。



最初は夢かと思った。また、泣いてしまった。



ビールを飲んだ。しかしあわてて飲んだせいで吐いた。



彼女は何もしゃべらない。



僕はこわかった。



こわくてこわくてたまらなかった。



そしてその幻影は、いつまでもとどまり続けた。



僕は布団にくるまっていた。



そして僕は、無表情なお前におびえていた。







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        ――りある ほらー











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数日のうち に 僕は 部屋の 掃除を はじめ た



新しい 仕事を さがしはじ め た



僕は 懸命に 生に すが ろ う とし た











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[bg light-black-and-white-people-dark-1036]



[bgm daily-life]











  やがて 僕は 大学時代の友達 に



  仕事を手伝わないかと と 言われた







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[bg light-creative-night-dark-3231]













  気がつくと 僕の前には お金があふれてい た



  そして 女が あふれてい た



  もはや 過去になど ひとつの後悔もなかった











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[bg light-dark-bed-lamp-3225]









  でも ときどき は 彼女の墓参りに行く



  やることは しっぽりとやっているし 幸せだし



  でも ときどき は 彼女のことを思い出す











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  本当にこれでよかったのかは わか らな い







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  きんぴらごぼうがおいしいというのは



  とてもすばらしいことだとおもう ・・・・・・







  そこにかのじょがいなくても・・。



  そこにかのじょがいなくても・・・。







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  逆さになった世界で いかなる渦があるだろう



  悲しみは すぐに 喜びになる ・・・・・・





  町のなだらかな 傾斜を なまぬるい汗と ともに



  すこしずつ すこしずつ すすんでゆく







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  僕は本当にお前を愛していたのかわからないと思う



  でも本当にお前が僕を愛していたかわからないと思う











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    ――嘘さ



 









あとがき

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