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座敷童ホームレス!‐座敷童ホームレス/1

yazukiyume

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 突然ですが、質問です。『家のない人』と言われて、アナタが連想するのは次のうちのどちら?

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 A.子役出身の某女優さん

 B.自叙伝を出した某芸人さん

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 ……前者を選んだ人は九〇年代、後者を選んだ人は……ゼロ年代?

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 次の質問です。では、『座敷童』と言われて想像することは、次のうちのどちら?

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 A.和服でおかっぱ頭

 B.住んでいる家に幸福をもたらす

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 ……いや、まあ私が和服好きで子供のときはおかっぱ頭だったのは事実だけれども。今は髪も伸びてるんだし、ここは出来れば後者を選んでほしい。だって――それこそが、私たちのなすべき『役目(しごと)』なんだから――

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「……だっていうのに――」



 ……どうして、こうなってしまったのだろう?

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「よーし、それじゃあやっちゃって――!!」



 私たちの前に立つヘルメットと作業着姿のおっちゃんの大号令とともに、眼前の木造家屋が工事用機械の鉄腕になぎ払われ、ガラガラと崩れ落ちていく。

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「ト、トーコちゃん……」



……その光景に不安を覚えてか、横にいるヒナとカナが私の服の袖をぎゅっと握った。

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「――ハイ、そういうワケで可哀想だとは思いますが、キミたちが住む家はこの通り跡形もなくなってしまいました! 心から同情します!」

 …………。

 そういっておっちゃんが振り返り、どこかの芸人さん一家を真似たようなノリで言う。……いや、同情するなら金をくれ。[page]

「――残念だとは思いますが、今日から三人とも頑張って生きてください! お金はあげられません!」

 …………。

 さいですか。

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 そうして――私たちの願いもむなしく、最後におっちゃんは悪夢のような一言を宣言してくるのだった。

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「――それでは、これにて解散!」

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 …………。

 十二月の東京の寒空の下。何の因果か、座敷童な私たちが『家なき子(ホームレス)』となってしまいました――

あとがき

次回→座敷童ホームレス!/2

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